2008年2月11日月曜日

100万回のありがとう

きのう、きょうと、大手出版社2社に行ってきた。いくつかの企画を提案したり、先方から打診を受けたりした。年末は忙しくなりそうだ。


きのうは、経済誌中心の出版社へ。夕刊フジ時代の後輩が昨年、引き合わせてくれた同社の部長さんとランチを同席する。
わたしは、いつもスーツの胸に、ある人からもらった「バッジ」をつけているのだが、はじめて「ああ、○○さんからもらったんですね」とズバリ言い当てられた。

ある人とは、竹田和平さん。
赤ちゃん用の「たまごボーロ」というお菓子メーカーのオーナーだが、いまでは日本一の個人投資家としていろんなメディアに登場している。なにしろ、四季報をみると数十社の大株主として名前が出ている。おそらく、株の資産だけで200億円前後はあるはずだ。
わたしは、竹田さんに2、3年前にお目にかかった。竹田さんの存在をみつけた経済ジャーナリストが本を書いていて、それが大変興味深かったからだ。

取材のアポをとり、名古屋に向かった。
ところが、竹田さんは株の話になると、急に黙り込んだり、はぐらかしたりする。あまりしゃべりたくないみたいだった。でも、それじゃ、せっかく取材にきた意味がない。3、4時間は粘り続けた。まあ、それでなんとか株がらみのインタビューらしくはなった。

竹田さんは自分と同じ生年月日の赤ちゃんに純金バッジをプレゼントする活動を毎年、続けている。プレゼントを受け取った赤ちゃんも両親も喜んでくれる。一番のプレゼントは、多分純金の価値じゃないと思う。この日に生まれてきてよかった、運がいいなあとの思いを赤ちゃんたちにプレゼントすることができる、そのことなんじゃないだろうか。こうした活動のことを竹田さんは記事にしてほしいと希望していた。もちろん、その希望も受け入れることにした。
すると、竹田さん、「君は違う誕生日だけど、これ、あげるよ」と、わたしにも純金バッジをプレゼントしてくれたのだ。以来、わたしはこのバッジを投資のお守りとしてずっと身につけている。

竹田さんとのインタビューで忘れられないのが、「ありがとう」の言葉。
インタビューの合間に、この言葉を何度、竹田さんから聞いたことか。
「わざわざ東京から来てくれてありがとう」
「わたしの話を聞いてくれてありがとう」
「バッジをもらってくれてありがとう」…。

竹田さんは会社の経営でも、投資でも、そして人生でも、成功するための秘訣は「ありがとう」の言葉だと言う。
竹田さんは手帳に、なにやら目標を書いているようだった。対面して話を聞いていたが、途中で思い切って竹田さんの隣に座り、手帳を覗き込んでみた。竹田さんは照れくさそうにパッと手帳を閉じかけたが、わたしは見逃さなかった。そこには今年の目標として「100万回、ありがとうを言う」と書いてあったのだ。

「100万回」…。

ええっ、すると1日に3000回もありがとうを言わなくちゃいけない計算。1日に3000回というと、だいたい1分に2回も!
竹田さんは、あの小さなたまごボーロひとつひとつにも、「ありがとう」と言っているんだそうだ。きっと、人(やモノ)に感謝の気持ちを持ち続けると、まわりまわって自分自身に「ありがとう」が返ってくる、ということなんでしょう。

さて、みなさま、このブログをお読みくださいまして、ありがとうございました。ありがとうございました。ありがとうございました。ありがとうございました…(と100万回)

(2005/11/1)

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