2008年2月11日月曜日

退職のごあいさつ

慌しくて、退職のごあいさつをしていない人がいっぱいいる。みなさん、ごめんなさい。

先日、一部の方に次のような「あいさつ文」をお送りした。きょう、知人の女性ライターから「あの文章、心震えました。本当にそうだなぁと賛同してしまいました」と、過分なるお返事をいただいた。

ご縁のあったみなさま方へ(BCC一括送信で失礼します)


突然のご連絡となることをお許しください。
私、宇都宮滋一は7月末日で産業経済新聞社(夕刊フジ)を退社することに決まりました。先月末に辞表を提出、受理していただきました。
独立してマネー教育のための会社を起業します。

といっても、夕刊フジとケンカ別れするわけではありません。
担当している連載は、夕刊フジの上司のご配慮もあり、今まで通り、私(フリーの編集プロダクションとして)が当分の間(短い場合は3か月程度~)、担当することになりました。

今年5月から「女性のための実践投資スクール」(年会費15万円、31人参加)と「女性のための中国株入門セミナー」(各回4000円前後、定員100人)を企画、実施しています。(このスクール、セミナーも最後まで担当させてもらえることになりました)。
ここで出会う受講生のみなさんの熱心さに心打たれました。

これまで、多くの人たちはマネー(投資、運用)のことを学ぶ場がありませんでした。
ところが、突如、ペイオフは始まるし、「貯金から投資」がキャッチフレーズのように叫ばれだしました。
でも、ほとんどの人が知識がありません。それなのに、「投資は自己責任」との突き放したような物言いに、おろおろするばかりの人たちがいます。

今こそ、きちんとしたマネー教育が必要です。
夕刊フジの一員として、上記のスクール、セミナーを担当していますが、僕の場合、本業は新聞記者であり、どうしてもこれらのスクールのことは片手間になりがちです。
あれだけ熱心にスクールに通ってくる受講生のために、また全国各地にもっともっと大勢、マネーのことを勉強したいと思っている人たちがいることを考えると、僕は、自分のできる最大限のことをしようと決断しました。
僕なりに、マネー教育のきちんとしたプログラムをつくり、セミナー、出版、動画、ポータルなど幅広く、活動しようと思っています。
とくにキッズ向けのマネー教育を大事にするつもりです。
そのためにも、世界のマネー教育(幼稚園、小学校から始まるらしい)の実態をリポートしたいと考えています。

振り返れば、僕自身が投資を始めるきっかけは連載陣のひとり、菅下清広さんとの
出会いでした。

かねてから菅下さんの「幸せの10か条」に感動し、「人生の師匠」と心酔してきました。その菅下さんが1999年秋、最初の本を出版しました。「株式ダービー」というタイトルでした。僕は、この本を最初に、菅下さんの本3冊のゴーストライターをしました。

本のために、菅下さんに株のことを教わる毎日でした。週3日くらい、菅下さんのオフィスに通いました。
ときは、ちょうどITバブルのころ。
「へえー、いまソフトバンクや光通信を買うと、大儲けできるのか、こりゃ、いいチャンスだ!」

欲の皮の突っ張った僕は、自宅のマンションを売却し、ローンを差し引いた残りと社内預金の計1300万円(ほぼ全財産)ほどをソフトバンク、光通信、トランスコスモス、日本オラクルなどにぶっこみました。最初は好調でした。師匠のすすめる銘柄を買っていくと、資産がみるみる増えていきます。
「なーんだ、投資って簡単じゃないか」

ところが、ご承知のように翌年の2000年2月、ITバブル崩壊。「まあ、どのくらい下がるもんかなあ」と当初のころ、のんきに見ていた僕でしたが、あまりの暴落にどんどん血の気を失っていきます。

そして、信用取引を知ることになります。「へえー、3倍まで取引できるのか。これなら、一気に損を取り返せるだろう」とシロートの浅はかな考えで手を出しては、さらに損を広げていきました。

今でも思い出します。投資を始めて3年後、2002年冬。気が付いたら、手元にお金が180万円しか残っていませんでした。つまり、3年で1120万円を損していたわけです。貧乏記者にとっては、もう二度と取り戻せない大金でした。妻にも家族にもナイショでした。

「もう死んでしまったほうがいいかも…」
そんなよからぬ考えも浮かんでは消えました。

この間、必死で勉強もしました。とにかく、本屋の棚にある投資の本を片っ端から読みました。300冊くらいにはなるでしょうか。新聞は、朝は日経、日経金融、夜は株式、日本証券新聞。雑誌もマネー雑誌は軒並み買って読みました。ネットでも連日、情報収集しました。

ある夜、トボトボと家路についていたとき、ふいに次のことに気づきました。

「なーんだ、おれってものすごくいっぱい、いいものをもっているじゃないか。家族がある、仕事がある、友人がいる。健康でもある。なくしたものはたったひとつ、金だけじゃないか」

そう考えると、急に元気が出てきました。
と同時に、不思議なんですが、投資でも成功が重なり、どんどん資産を回復していくことができました。結局、2003年の1年間で資産を10倍以上にすることができ、これまでの損を取り戻すことができました。

僕は投資からいろんなことを教わりました。投資はお金を儲けることだけが目的じゃない、投資は人生の修行の場でもあると思っています。
成功した個人投資家のみなさん(若い人も多い)は、自分なりの哲学をきちんと持っていて、人間的な魅力を感じさせられます。

また、恒産なくして恒心なし、ともいいます。お金をもっている人、ポケットに余裕のある人は、他人にも優しく接するようにもなる(と僕は感じます)。

僕は投資に出会えて、ものすごく幸せだったと本心から思っています。
この幸せを大勢の人に伝えたいとも念願していまして、その思いがスクール、セミナーにつながりました。

僕は、「日本中を億万長者にしよう。そうすると、日本という国はものすごく優しい国になる」と夢見ています。

社名は「1億総億万長者プロジェクト株式会社」。
冗談みたいですが、僕は大真面目です。

8月10日前後には設立にこぎつけたいと思っています。
(注 8月8日設立に決まりました)。
あさって、友人の税理士と相談します。

資本金は、僕が1000万円。
ほかに、菅下さん(や会社の同僚、先輩)たちが10万円づつ出資してくれるようです。

みなさま方には、これからもお力添えを、どうかよろしくお願いします。

  夕刊フジ 宇都宮滋一

(2005/7/28)

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