2008年2月11日月曜日

刀削麺荘

西安料理の店「刀削麺荘(とうしょうめんそう)」ってご存知ですか?

僕はこの夏、中国語のスクールの後、クラスメートに「おいしい店があるから行きましょう」と連れていってもらった。

店の名前にもなっている「刀削麺」とは、麺のもとになるものをこねて固まりにしたあと、ぐつぐつ煮えたぎるナベに、これを豪快に削り取ってゆであげる料理。このパフォーマンスは一見の価値あり。僕たちは、ショウロンポウや鉄板ギョーザなども食べましたが、とてもおいしかった。おまけに値段はリーゾナブル。ただ、いつ行っても混んでいるので、入るのに一苦労だけど。

10月から、テレビ、新聞、雑誌で活躍中の藤沢久美さん(ソフィアバンク・ディレクター)に「グリーンシート入門」を連載してもらっている。

グリーンシートとは、日本証券業協会が管理、運営している未上場企業に投資するマーケットのこと。ハイリスクではあるが、若い起業家たちを応援し、日本経済を活性化させるとても大切なマーケットだと思う。もっともっと投資家たちに、このマーケットの存在を知らせることが、報道の役割だとも感じていたので、「社会起業家フォーラム副代表」を務め起業家を応援している藤沢さんに連載執筆をお願いした。

その藤沢さんが先日、グリーンシート銘柄のひとつ、「大秦」(だいしん)という会社のことを書いてきてくれた。

その原稿を読んで、初めて気づかされたのだが、この「大秦」が刀削麺荘を運営している会社だったのだ。社名は、大いなる(大)西安(秦)という意味。

藤沢さんによると、「社長の横山氏が中国を旅するなか、西安で、誰もが豪快に笑い、大声で話し、酒をくみ交わして、食事を心から楽しみ、中国語が分からない横山氏まで、無性に楽しくなってくる空気に感動し、その食文化を日本にも紹介したいという想いから、この会社は生まれた。

日本では、居酒屋やレストランも個室化が進み、静かに食事を食べる傾向が高まるなかで、あえてにぎやかな店を作り、人気を博した」という。

横山氏は、何度も西安を訪れ、市長をはじめとした政府関係のネットワークを深め、西安の宮廷料理人経験者たちが「刀削麺荘」で働ける道筋を作り上げた。「つまり、刀削麺荘で出てくる料理は、西安でも一流の料理人が作る西安料理なのです」(藤沢さん)。

僕は、藤沢さんの原稿を読んで、なるほど、あの店にはこうした社長の熱い思いやストーリーが込められているのかと知り、ますます身近に感じるようになった。

ちなみに藤沢さんのオススメは「ショウロンポウとなすの山椒揚げが絶品です!」とのこと。きょうの昼、「さて、何を食べようかな」と神田までひとり、ブラブラ歩いていたら、「刀削麺荘」の看板が目に入った。へえー、こんなところにもあったのか。いままで、しょっちゅう通りすぎていたのに、全然気が付かなかった。

不意に「青い鳥」のストーリーが浮かんできた。自分のすぐそばにあるのに、見過ごしているもの、通りすぎているものがあるんだろうなあ、きっと…。

(2004/11/6)

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